目次
はじめに
第1章 家族の比較研究に潜在する可能性をめぐって_
1.ナショナル・アイデンティティと家族
2.ミクロ・レベルでの人間関係の変容(1980年代以降)
3.クーンの「パラダイム転換」論と家族社会学
4.非西欧文化圏と家族社会学
第2章 本書における概念の定義と分析枠組み_
1.概念の定義
2.本書における分析枠組み
2―1. 分析の対象
2―2. 分析の方法
第3章 _社会主義期からポスト社会主義期へ転換するハンガリー_
1.価値の転換期における社会政治問題
2.社会主義期に形成されたハンガリーの家族社会学研究の現状
3.ハンガリーにおける家族社会学のテキストの現状
4._社会主義期におけるマルクス主義的「家族モデル」形成の可能性
4―1. 選択したテキストの基本データ
4―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
5.脱マルクス主義期における「家族モデル」形成の可能性
5―1. 選択したテキストの基本データ
5―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
6.まとめ―美化された過去像への囚われ
第4章 閉鎖的社会から開放的社会へ歩みつつある中国_
1._中国社会の開放化・国際化に伴うイデオロギー的資源の多様化
2.中国における社会学研究とイデオロギー的資源の多様化
3.中国における家族社会学研究の現状と主要なテキスト
4.「改革開放」直後における家族社会学テキスト
4―1. 選択したテキストの基本データ
4―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
5.グローバル化に挑戦する家族社会学テキスト
5―1. 選択したテキストの基本データ
5―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
6.まとめ―家族主義と個人主義との板ばさみ
第5章 伝統文化とアメリカ文化との葛藤に陥った台湾_
1.急激な経済発展を伴った「思想の真空」
2._戦前の「伝統」の失墜・米国への依存から自律しつつある台湾の社会学
3.台湾における家族社会学研究の現状と主要なテキスト
4.政治体制変化の直後における家族社会学テキスト
4―1. 選択したテキストの基本データ
4―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
5.21世紀初期の台湾における家族社会学のテキスト
5―1. 選択したテキストの基本データ
5―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
6.まとめ―伝統文化と西欧文化の融合に向けて
第6章 脱亜から入亜へ転換する日本_
1.戦後日本の経済的黄金時代:見かけ上の価値の安定性?
2.戦後日本における家族社会学研究の現状
3.日本における主要な家族社会学テキスト(概要)
4.近代日本家族の集団性を主張する家族社会学テキスト
4―1. 選択したテキストの基本データ
4―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
5.近代日本家族の集団性から脱却する家族社会学テキスト
5―1. 選択したテキストの基本データ
5―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
6.まとめ―家族主義からの「解放」
第7章 家族社会学の多様性
1.家族社会学のテキストから読み取れる4つの物語
1―1. _社会主義近代化およびその揺らぎにおける「モデル作成」問題
1―2. _非西欧的資本主義近代化およびその揺らぎにおける「モデル作成」問題
2.パラダイム転換がおきた日本と概念上の不一致
2―1. パラダイム転換がおきた日本
2―2. 概念の不一致
第8章 「競合する家族モデル」論の構築
1.1980年代以降におけるテキスト作成の発展:4つのタイプ
2.アイデンティティとしての家族
2―1. イデオロギー的資源の絶対性・相対性をめぐって
2―2. モデル作成の道・モデルの「均質性・異質性」問題
2―3. 民主化言説の媒介的性格
2―4. アイデンティティとしての家族
3.「競合する家族モデル」論の要点
4.家族社会学におけるパラダイム転換と今後の展望
参考文献
付録 テキストの内容(要約)
1.L. チェソンバティ(ハンガリー)
2.P. バンラキ(ハンガリー)
3.巫昌禎(中国)
4.潘允康(中国)
5.高淑貴(台湾)
6.蔡文輝(台湾)
7.森岡清美・望月嵩(日本)
8.目黒依子(日本)
謝 辞
索引(人名・事項)