目次
序 章 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィーに向けて
1 巷にあふれる「ヤンキー語り」と調査の不在
2 〈ヤンチャな子ら〉を調査・研究する意義
3 本書の目的と独自性
4 調査の概要
5 本書の構成
第1章 ヤンキーはどのように語られてきたのか
1 若者文化としてのヤンキー
2 生徒文化としてのヤンキー
3 階層文化としてのヤンキー
4 これまでのヤンキー研究の課題
5 分析の方針
第2章 〈ヤンチャな子ら〉の学校経験――教師との関係に着目して
1 〈ヤンチャな子ら〉と教師の対立?
2 学校文化の三つのレベル
3 家庭の文化と学校文化の葛藤
4 〈ヤンチャな子ら〉と教師の相互交渉
5 教師への肯定的評価と学校からの離脱
6 〈ヤンチャな子ら〉と「現場の教授学」
第3章 〈ヤンチャな子ら〉とは誰か――〈インキャラ〉という言葉に着目して
1 集団の曖昧さ
2 類型論的アプローチを超えて
3 〈インキャラ〉という解釈枠組み
4 文脈のなかの〈インキャラ〉
5 〈インキャラ〉という解釈枠組みのゆらぎ?
6 集団の内部の階層性
第4章 「貧困家族であること」のリアリティ
1 「子ども・若者の貧困」研究における本章の位置づけ
2 「記述の実践としての家族」という視点
3 記述の実践としての「貧困家族」
4 アイデンティティとしての家族経験
第5章 学校から労働市場へ
1 〈ヤンチャな子ら〉の仕事への移行経路
2 〈ヤンチャな子ら〉の移行経験――六人の語りから
3 移行経路と社会的ネットワーク
終 章 〈ヤンチャな子ら〉の移行過程からみえてきたこと
1 〈ヤンチャな子ら〉集団内部にある「社会的亀裂」
2 重層的な力学のなかにヤンキーを位置づけた意義
3 「ヤンキー」と括られる人々の内部に目を向けることの重要性
4 アンダークラスとしてカテゴリー化することの危険性
5 〈貧困の文化〉か、〈社会的孤立〉か
6 社会関係の編み直しに向けて
巻末資料
参考文献
初出一覧
あとがき