目次
序章 失われたレヴィ=ストロースの復権
失われたレヴィ=ストロースの復権 出口 顯
1 レヴィ=ストロースの日本での紹介の歴史
2 ブームの終焉
3 『野生の思考』の読み方
4 静態的対動態的
5 所収論文解題
第1章 はじまりと流行の時代
「構造」の概念 川田順造
1 構造の定義と方法論上の問題
2 形態と構造
3 コミュニケーションの構造
4 動態としての社会構造
5 構造の観念の問題点
歴史と構造 田島節夫
クロード・レヴィ=ストロース研究――序説 作田 清
第2章 刷新
レヴィ=ストロースの日没のノオト――《西欧》の啓示 小林康夫
禁忌と意味生成――レヴィ=ストロースその可能性の中心 小田 亮
1 タブーの人類学的理論
2 インセスト・タブーと主体生成
3 カオスとコスモスの弁証法批判
4 マナと権力
構造主義の社会学的意義について――レヴィ=ストロースの思想と認識論を通して 佐藤康行
1 「歴史」と「構造」
2 認識論の思想的背景
3 構造主義の社会学的意義
交換理論の形態と論理――有賀喜左衞門とレヴィ=ストロースの交換理論を比較して 佐藤康行
1 マルセル・モースの交換理論
2 レヴィ=ストロースの交換理論
3 有賀社会学における交換理論の形成
4 有賀社会学における交換理論の展開
5 有賀の交換理論とレヴィ=ストロースの交換理論との比較
レヴィ=ストロースの〈イエ〉(maison/house)概念普遍化の有効性について 仲川裕里
1 〈イエ〉概念の提示
2 〈イエ〉社会の諸事例
第3章 新しいレヴィ=ストロース像に向かって
もうひとつの豊かさの思考――レヴィ=ストロース生誕百年シンポジウムに向けて 渡辺公三
構造でシステムを飼い慣らすということ 小田 亮
1 変化に抗する野生の思考
2 「真正性の水準」と普遍性―単独性/一般性―特殊性
3 ブリコラージュによる普遍性―単独性への転換
4 システムを飼い慣らすということ
幼い娘がしてくれた構造人類学のレッスン――レヴィ=ストロースの贈り物 小馬 徹
1 最良のフィールドワーカー
2 一歳七カ月の娘がくれた年賀状
3 構造主義のレッスン
4 幼稚園のトーテミズム
仮面の声 出口 顯
1 スワイフウェ、ゾノクワ、クウェクウェ、銅
2 石器時代のグローバリゼーション
3 ブリコラージュの拘束性
4 内と外の裏返し、褶曲、襞
5 裏返しされた適正な距離
第4章 ブックガイド
構造主義とは何だったのか――『仮面の道』 渡邊一民
1 “普遍的人間”神話の破産
2 人間中心の思考に懐疑
双子であることの不可能性――レヴィ=ストロースの新著『大山猫の物語』から 渡辺公三
相対主義の彼方、あるいは真の価値の見出し難さ――『みる きく よむ』 伊藤氏貴
感覚的な神話学――『生のものと火を通したもの』 蜂飼 耳
人類学者は諸芸術をいかにブリッジしたか――『みる きく よむ』 三浦 篤