紹介
カルメン、伝説の山賊ホセ・マリア、ロルカ、侍ハポン……
憧れから始まり彷徨い続けた20年わたる旅(1989~2010)の記憶を詳細に再現する。
「1989年から2010年までの間に、私は16回スペインを訪れ、そして何冊かの本を書いてきた。カルメンやドン・ホセの足跡を辿ったり、またアンダルシアの山岳地帯に入り込み、かの有名な山賊ホセ・マリア・エル・テンプラニージョの後を追いかけて、その隠れ家を突きとめたり。そしてセビーリャのサンタ・クルス街の雑踏の中では、顔見知りのヒターノから、「オラ・ミ・アミーゴ」と、ドスのきいた声をかけられ後ろから肩をつかまれたりして。いろいろな人物や輩(やから)を、友人や知人としてつくってきたのだ。……」(本書「まえがき」より)
目次
Ⅰ 道はマドリードから
首都の賑わい
アルカラ門からグラン・ビーアへ
ブルゴスの小母さんたち
モンタナ兵舎の跡
プラド美術館のマリア像
ベラスケス、ゴヤの絵
ピカソの「ゲルニカ」
Ⅱ ピレネーの向こう側
バスクとカルメン伝説
『カルメン』の作者メリメ
カルメンの出生地エチャラール村
リッサラガベンゴア村
ナバラの人びと
青年は武士道に憧れた
変なヨーロッパ人
カルメンはわたし
ナバラの二人の人物
ヘミングウェイの話
Ⅲ グラナダの想い出(1)
アルハンブラ宮殿
『アルハンブラ物語』
グラナダの市営墓地
ガルシア・ロルカのこと
ロルカ最期の地
Ⅳ グラナダの想い出(2)
アルバイシンとサクロモンテ
共和国軍に身を投じた山賊の子孫
テロリストの短い生涯
ジプシーはどこから来たか
クエバのフラメンコ
もう一つのクエバ
セマナ・サンタ(聖週間)の行列
Ⅴ アラブの名残りの町アロラ
アロラの日本人
わが友シンジ
アロラ出身のエンカルナ
二人の変人画家
Ⅵ アンダルシア・ロンダへの道
ロンダの地名
スペイン映画『ロンダのカルメン』
山賊ホセ・マリア・エル・テンプラニージョ
あっけない最期
ホセ・マリアの足跡を辿る
街道沿いのガウシン
プエブロ紀行の終り
Ⅶ コルドバ三つの風景
ローマ橋 カルメンの面影
パティオの風景
メスキータ 二つの祈り
Ⅷ 「セビージャ」に無いものはない
「セビージャ」の今と昔
巨大な大聖堂
シェルペス通りと大きな祭り
『カルメン』と『かもめ』とムリージョの絵
サンタ・クルス街
フラメンコの「ペテネーラ」は実在したか
パテルナ・デル・カンポ
四百年前の侍はハポンさんになった
伊達政宗がスペイン国王に送った手紙
新幹線AVEとスペイン人