紹介
人間の消去に立ち向かい、歴史はいかにして「真実」を紡ぐのか。
クメール・ルージュの体験に正面から取り組んだ稀有な文学的表現。
ポル・ポト体制のカンボジア(1975―79)を奇跡的に生き延び、クメール・ルージュの体験を独自の手法で映像化してきた巨匠が、手練れの作家の助けを得て、初めて自らの少年時代の記憶を語る。
1 万数千人を殺害した政治犯収容所元所長の言葉に触発されて甦る、家族や生活のすべてを失った苦難の記憶。リティ少年を襲った信じ難い体験が、淡々とした筆致で語られる。そして息づまる対話のなか、生存者は加害者に問う。「なぜ、あなたのようなインテリがあんなことを?」現代世界でもっとも重要で、もっとも答えるのが困難な問いを、読む者の胸に静かな迫力でつきつける傑作。リティ・パニュ監督最新作『消えた画』の原作。
2013 年度『ELLE』読者賞、2012 年度フランス・テレビジョン・エッセイ賞ほか受賞。
リティ・パニュ監督《消えた画 クメール・ルージュの真実》
2014 年7月5日より、渋谷・ユーロスペースにてロードショー!(全国順次公開)
闇に葬られたクメール・ルージュの悪夢―百数十万人が虐殺されたカンボジアの大地から
作られた人形たちが、光と闇の記憶を語り始める……。
第66 回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリ、2013 年度アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート