紹介
キューバ・カストロ政権を批判する代表的書物として
世界的に知られるノンフィクション、ついに邦訳!
本書は、著者が1970 年12 月から翌年3 月まで、アジェンデ政権の代理公使としてハバナに滞在した3 カ月の記録である。1970 年におけるキューバ・カストロ体制の暗部に対する批判の書であり、73 年のクーデターで倒されたチリ・アジェンデ政権の崩壊前夜の記録、そしてラテンアメリカ文学にとっては極めて大きな「パディージャ事件」の背景を記す実録でもある。ジャーナリスティックな記録とも、事実の暴露を目指す証言文学とも違う、まさに《記憶の文学》と呼ぶほかない、独自のジャンルを築いたエドワーズ文学の真骨頂。
[本書に登場する主な人物]フィデルとラウルのカストロ兄弟に始まり、ジュネーブの国連本部に現われたチェ・ゲバラ、公安警察の大物マヌエル・ピニェイロ、革命の女闘士アイデエ・サンタマリア、ホセ・レサマ=リマやニコラス・ギジェンのような名のあるキューバ作家やカルロス・フエンテス邸でのパーティー、ノーベル賞詩人パブロ・ネルーダ、サルバドール・アジェンデ大統領の美しい妹ラウラ、そして、エドワーズがキューバを去る前日に突如逮捕される作家エベルト・パディージャ……キューバやチリの歴史的人物たちの素顔に触れる実録!
[セルバンテス賞コレクション]セルバンテス賞は、イベリア半島とラテンアメリカの優れた表現者に対して授与される、スペイン語圏でもっとも権威ある文学賞。このシリーズでは、セルバンテス賞受賞作家による、スペイン語圏の傑作文学を紹介する。