紹介
▼ソ連なき東欧を夢見て
第一次世界大戦によってヨーロッパの旧秩序が崩壊し、
スターリンとヒトラーが台頭する戦間期の東欧。
二強国の思惑に蹂躙されたポーランドで共産主義と民族主義に抗い、
秘かな戦いをくり広げた一人の男の数奇な生涯を通して
20世紀東欧史の最深部を描き出すティモシー・スナイダーの出世作。
ある時はモダニズムの画家、ある時はポーランド政府の高官、そして
スパイにして反ボリシェヴィキの闘士でもあったヘンリク・ユゼフスキ――。
第一次世界大戦によってヨーロッパの旧秩序が崩壊し、
スターリンとヒトラーが台頭する戦間期の東欧は、動乱の時代を迎えた。
ポーランドの東方政策の野望、ウクライナの国家建設の欲望、
そしてスターリンのソ連、それぞれの思惑が交錯する境界地帯で、
共産主義と民族主義に抗いつづけたヘンリク・ユゼフスキの数奇な生涯を通して
20世紀東欧史の最深部を描き出すティモシー・スナイダーの出世作。
目次
プロローグ 尋問
隠滅
史料
環境
本書の構成
はじめに キュビスムと密謀
ポーランド軍事組織(POW)
キエフ進軍
冬の行軍
リガ条約
エルシノア城
Ⅰ 巧妙な上昇
第1章 信頼
ポーランドの共産主義勢力
「揺さぶり」作戦
文芸論争
シュムスキー事件
矛盾
第2章 プロメテウス運動のウクライナ
反共主義と反ユダヤ主義
諜報基地〈ヘトマン〉
GPU
見せしめ裁判
辻褄
第3章 政治という劇場
近代性
新伝統主義
ヴォウィン実験
共産主義勢力
民族主義勢力
プロメテウス運動
真相
第4章 冬のスパイたち
キエフのスパイたち
ルヴフ地区司令班
農業集団化政策
Ⅱ 政治の下降
第5章 スターリンの飢饉
ワルシャワの選択
大飢饉
スターリン主義
第6章 ポーランド人へのテロル
追放、民族浄化、テロル
ポーランドのスパイ活動
政治的判断
捏造されたポーランド軍事組織
第7章 革命の準備
内側からの革命
情報の国境線
革命の準備
期待
第8章 奪回作戦
ヴォウィンの正教会
思惑と結果
挙国一致
解任
奪回作戦
Ⅲ 局地戦としての世界戦争
第9章 ガラスの家
一九三九年夏
革命
ホロコースト
文化の担い手
ウクライナ人民共和国
ヴォウィンの革命
敵
第10章 ナチの占領
勝利に身を捧ぐ使徒
国内軍
一九四三年
自由と独立(WIN)
共産主義
第11章 女性たちの密謀
罠
作戦室
「国際主義」と「海から海へ」構想
第三課
秘密の生活
第12章 共産主義政権下の監獄
尋問
判決
エピローグ 再現
希望のあと
釈放のあと
スティル・ライフ
謝辞
解説 梶さやか
訳者あとがき
原註
公文書館
略表記
表記について
索引