目次
プロローグ 大西洋の横断──自生の知性、海外へ
序
第一章 「アメリカのニーチェ」の形成
ニーチェとアメリカ・コスモポリタニズムのヨーロッパ式枢軸
ニーチェの流行
ニーチェの人物像
「ニーチェ的」と「ニーチェ主義」アメリカ英語に
第二章 近代における人間の魂
ニーチェと近代思想の諸問題
弁明しないカトリックの弁明
「社会的福音」とキリスト教の実践可能性
ニーチェのキリスト教への貢献
ナザレのイエス、ナウムブルクのニーチェ
第三章 超人のアメリカ式馴化
大衆の想像力の中の超人
自己の超克と社会的向上
近代の目まぐるしさとロマン主義的自己放棄
超人とドイツ民族精神
戦場の超人と「ドイツ製」世代
おのおのにそれぞれの超人を
第四章 教育者としてのニーチェ
知識人を経験する、言葉が世界を形成する
ニーチェのまがいもの
文化批評という「悦ばしき知識」
近代の知識人と預言者の切望
幕間 ニーチェを奉る人々
ニーチェに取りつかれる、ニーチェを所有する
ニーチェを範とする
ニーチェ巡礼
民主主義文化に対する「距離のパトス」
第五章 ディオニュソス的啓蒙思想
ウォルター・カウフマン、ドイツ人亡命者、ヒトラーに追放されたニーチェ
厄介な思想家ニーチェ
ニーチェとナチス
ニーチェの実験主義とジェイムズのプラグマティズム
ディオニュソス的啓蒙思想への対抗
万人のためのそして何人のためのものでもないカウフマンのニーチェ
第六章 アメリカの土壌で生まれた反基礎づけ主義
ハロルド・ブルーム──エマソンの先行性の探究
リチャード・ローティ──ニーチェとプラグマティストの地平の融合
スタンリー・カヴェル──ニーチェ、エマソン、そして故郷への道を見出すアメリカ哲学
アメリカ的思考についての思考
エピローグ ニーチェとは我々のこと
謝 辞
訳者あとがき