目次
はじめに
移民現象をめぐる新しい見方
二〇年間の研究
「移民現象」と「統合」──二つの定義の再考
一九九九年の国勢調査から
序論
第一章 記憶の場ならざるもの
1 正統性なき対象
2 国民と歴史学者──影響力の問題
3 起源と契約、あるいは問題設定の難しさ
3・1 新しい契約のひと──社会学「フランス学派」の定礎者、エミール・デュルケーム
3・2 フランスにおける移民史の「恥ずべき」起源
3・3 新しい移民、新しい社会学者
4 フェルナン・ブローデルへの疑問
第二章 カードと法典
1 共和政の発明品としての移民現象
1・1 「外国人」の時代(一七八九年から一八八九年)
1・2 移民現象──言葉と観念
1・3 国境をうまく扱うためのいくつかの方法について
2 話すことが行為することであるとき
3 それぞれの人にとっての移民
3・1 どのような「資格」で、移民なのか
3・2 移民政策の困難
第三章 根こぎにされた人びと
記憶のかけら
エクリチュール
外国人労働者
国籍の空間
流入と帰還
切断、収容所、仮住まい
故郷喪失
父の名のもとに
スティグマ
仲間うち
第四章 「フランスよ、おまえは私の根を傷つけた」
1 定 着
1・1 「行ったり来たり」の終わり
1・2 国籍が異なる者との結婚と帰化
2 「第二世代」──その定義を求めて
2・1 「第一次社会化」という決定的経験
2・2 「真正さ」という問題
3 「根を再発見する」?
第五章 三つの危機
1 三つの定着期
1・1 移民現象「創出」の起源──一八八〇年代の危機
1・2 危機の影響──国民的規範に近づきたいという欲求
2 はけ口
2・1 実践面において
2・2 言説面において
2・3 説明上の要素
3 フランス社会における三つの徴候
3・1 「国民的事跡」の構築
3・2 「自由」業とはいうものの
3・3 学校における移民
第六章 フランスの再構築
1 移民の導入──国の工業化をめぐる困難の解決策
2 フランスの繁栄
2・1「フランス人がやりたがらない仕事」
2・2 著名人
2・3 多元主義
3 フランス型「モデル」
3・1 国民の民主的法権利の全能性
3・2 フランスにおける移民現象──先進モデルか?
3・3 「国民的同化」の社会史にむけて
結論 フランス革命二百周年祭にあたっての小論
訳者あとがき
統計に関する補遺
増補した文献
史料と文献
索引