目次
第1章 民俗学と実践性をめぐる諸問題――「野の学問」とアカデミズム 岩本通弥
1 高度経済成長と民俗学――その「学」をめぐる環境の変化
2 民俗学的実践の諸相――橋浦泰雄/宮本常一/関敬吾
3 新たな公共性の議論のなかで――現在を問い直す
第2章 公共民俗学の可能性 菅 豊
1 民俗学は実践の学か?
2 社会に開かれる学問状況――学問の公共性
3 アメリカの公共民俗学
4 現代日本での公共民俗学観点の必要性
第3章 市民のなかの民俗博物館 加藤幸治
1 悩めるパブリック・フォークロリストたち
2 市民のニーズと博物館の調査研究
3 博物館活動への市民参加の事例
4 「市民学習者」と実践
第4章 学校教育と伝統芸能の創造 小国喜弘
1 芸能を公開すること
2 「民族舞踊」として継承すること
第5章 野の学問とアカデミズム 中村 淳
1 アカデミズムとアマチュアリズム
2 プロフェッショナリズムとアカデミズム
第6章 民俗文化と文明世界 伊藤亜人
1 具象的世界と論理体系的世界
2 中華文明圏の周縁としての日本――韓国社会との比較対照
3 日本人の非論理性とモノを介した実践
4 周縁性と「野の学問」が開く可能性
5 開発人類学の現場で――民俗知識の実践と活用
第7章 民俗学における学問の「制度化」とは何か――自然科学の「制度化」のなかから考える 鬼頭秀一
おわりに 菅 豊