紹介
まちづくりが「医学」と出会った!
Medicine-Based Town(MBT)とは、「医学を基礎とするまち」のこと。奈良県立医科大学の「住居医学講座」(細井教授)が提唱する概念である。
「住居を、医学という視点から研究する」というコンセプトのもと、住まいにおける『健康』を医学的見地から研究してきた。その成果をさらに発展させ、地域活性化の実践的な試みで知られる早稲田大学(後藤研究室)が手を携えた。
MBTの核心は、医療福祉健康に関するさまざまな機能や情報が病院や施設内、すなわち、建築や敷地の外に開放され、ひろく「まち」中に展開していくものである。その結果、まちそのものを元気にする波及的な効果が期待される。たとえば、空き家化が進む地方都市の中心市街地、歴史的まちなみ保存地区、老朽化が進むかつてのニュータウン、中山間地域の集落などにおけるMBT導入の効果はたいへん大きい。
また、本書では医学の専門家、情報通信技術者・研究者、市民・NPOとの共同作業によりインターネットなどの情報を駆使したまちづくりの基礎を構築する。