紹介
文化とは何か。社会にとって文化とはどのような価値があるのか。
そしてその価値を維持するためにはどのようにしたらよいのか。
文化資産の価値については定量的あるいは客観的評価になじまないとされ、 また適切な手法がなかったこともあり、十分な実証研究はなされてこなかった。
本書は世界遺産富山県五箇山合掌造り集落をモデルに、費用便益分析手法の一つである「仮想評価法(Contingent ValuationMethod =CVM)」を用いて公共経済学、 財政学、社会学的及び統計学的アプローチで、 実証的かつ客観的に文化資本の価値を明らかにする。豊富な図表とCVS調査マニュアルは地域の文化財保全を担当する実務家や研究者必読である。
目次
第1章 文化政策の変遷と構造的枠組み
第2章 地域における文化政策の発展
第3章 文化資本と地域の持続的可能性
第4章 五箇山合掌造り集落を巡る実態分析と課題抽出
第5章 受益者の推定、効用の分析・規模の確定( 観光客に対するCVS調査)
第6章 受益者の推定、効用の分析・規模の確定( 全国CVS調査)
第7章 文化政策の課題 政策評価
資料編