前書きなど
≪プロローグ≫
皆さん、お元気ですか。英語の勉強はいかがですか。今回は、皆さんに日本のことを英語で何でも発信できるようになっていただくために、日本文化事象の英語通訳ガイドの決定版を書きました。
政府が日本の伝統文化・地域文化を世界にアピールする観光立国政策を目指して以来、外国人観光者数は増大し、テレビ番組や出版物でも日本文化特集が増えてきました。英語を取り巻く環境やメディアも、かつて英語圏の文化を外国人から学ぶのが大半だったのが、現在は日本文化を英語でアピールする発信型へ変わりつつあります。また、ボランティアの通訳ガイド団体も増え、善意通訳組織(SGG)の数も800を超えるに至りました。
そこで本書は、そういった時代のニーズに応えるために、日本の伝統文化、宗教、食べ物、風物、行事、娯楽、政治、経済などすべての日本事象を英語で説明できるようになる構成にしました。対象は日本のことを外国人に説明する必要のある方、通訳案内士試験や観光英検合格やプロのガイドを目指す方、ボランティアで日本を案内する方々などで、非常に役に立つ内容となっています。
日本文化に関する知識と語彙力、リスニング力を同時にUPできるように、凝った表現を織り込み、速いスピードで読まれたダイアログのCDを、何度もシャードーイングすれば、英語発信力が数段UPするでしょう。また、外国人によく聞かれる質問をさばくために、表現豊かなQ&Aを盛り込み、さらに随所に挿入したクイズやコラムには、日本案内には欠かせない表現、俳句季語を利用した動植物・事物の語彙補強、息抜きとして使えるトリビアまでカバーした雑学クイズ、一流ガイドの現場面白体験談、日本文化の重要項目をひと目で比較できる日英キーワード付の表を満載という、至れり尽くせりのエデュテイニングな内容になっています。
最後に、本書の製作にあたり、執筆協力&校正に惜しみない努力をしてくれたスタッフの田中達也氏(3章「日本の食と住居」)、堺研二氏(2章「日本文学」)、柴田哲氏(2章「伝統スポーツ」、3章「娯楽」と5章の「政治」)、和来堂の上野哲也氏(体験談執筆)、および(株)語研編集部の島袋一郎氏と本書執筆の母体となった参考文献の著者の方々には、心から感謝の意を表したいと思います。それから何よりも、我々の努力の結晶である著書をいつも愛読してくださる読者の皆さんには、心からお礼を申し上げます。それでは皆さん、明日に向かって英語の道を、
Let's enjoy the process!(陽は必ず昇る!)
植田一三&上田敏子