目次
Part1 History すべてはハイトリ紙から始まった
… 1 ハエ取りではなく、ハイトリ
… 2 海外に目を向け、アジア市場を席巻
… 3 ハイトリ紙の危機
… 4 復活! カモ井の殺虫四大商品がラインアップ
… 5 和紙粘着テープの誕生
… 6 リボンハイトリの輸出市場を取り戻せ
… 7 カモ井の粘着新時代
… 8 ヨーロッパが注目するエコ商品
Part2 People 人が会社をつくり会社が人をつくる
… 1 歴史をつなぐ経営者たち
… 2 「程」の心
… 3 タイカモイは泥棒会社?!
… 4 受け継がれる安全哲学のDNA
… 5 カモ井の新時代をつくる開発者
Part3 PR & Adds 資料室から見えてくる遊び心の遺伝子
… 1 ミヤコ蝶々46歳、笑福亭鶴瓶26歳
… 2 ネーミングは言葉遊び
… 3 ねずみ男がネズミをキャッチ
… 4 商品名を品番から愛称へ
… 5 今年ももらえるKAMOIの龍(ドラ)ジャン
Part4 Technology かたちを変え進化を続ける粘着技術
… 1 化学薬品ゼロの粘着力
… 2 車両塗装に医療用の絆創膏を代用
… 3 よく付き、きれいにはがせるマスキングテープ
… 4 天然ゴム系粘着剤と高速多層コーティング
… 5 未来に向けた新商品と新素材
Part5 Challenge マスキングテープの新たな挑戦
… 1 きっかけは1通のメール、そして3人との出会い
… 2 作業用品のマスキングテープから雑貨「mt」へ
… 3 mt未来予想図
… mtギャラリー
Part6 Future 「革新の連続性」がカモ井のDNA
… 代表取締役社長・鴨井尚志 氏インタビュー
… カモ井加工紙のあゆみ
前書きなど
日本最初の私立の西洋美術館といわれる岡山県倉敷市の大原美術館。そのミュージアムショップの一角にカラフルなマスキングテープが置かれている。美術学生が使うような白いマスキングテープではなく、水玉やチェック柄、和柄など種類もたくさんあり、そばには「マスキングテープの本」まである。調べてみると、このマスキングテープ「mt」を日常的に使っている女性は多く、使い方のアイデアを公開するファンサイトもかなりの人気を集めている。
こんなふうに書くと、どこかの文具メーカーが企画した商品のように思えるが、「mt」を作っているのは、1923年(大正12年)に初代の鴨井利郎氏がカモ井のハイトリ紙製造所として創業し、日本はもとよりアジア諸国にカモ井のハイトリ紙を売り出した倉敷市の企業、カモ井加工紙株式会社である。
2010年に創業87周年を迎えたカモ井加工紙がハイトリ紙からスタートし、マスキングテープ「mt」に至るまで「粘着」に特化した企業として数々の商品を生み出してきた歴史はとても興味深い。。