目次
『法律の条文解釈入門(新版) 六法を引こう!』
小室百合(神奈川大学法学部准教授) 著
【目 次】
◇第一部 基本編 六法を引こう!◇
はじめに――初めて法を学ぶ人へ みなさんは雑すぎる
★第一編 卒業までの目標と、一年生の目標は、それぞれ何でしょうか?
★第二編 六法の使い方
第一章 六法とは何でしょうか?
第二章 一年生は、どの六法を買えばよいでしょうか?
第三章 法律の探し方
第一節 インデックスから探す(難易度☆)
第二節 法令名索引から探す(難易度☆☆)
第三節 目次から探す(難易度☆☆☆)
第四節 法律の探し方のまとめ
第四章 法律について六法から得られる情報
第一節 情報の掲載箇所
第二節 公布・施行・改正の期日
1 公 布
2 施 行
3 改 正
4 法令番号と施行根拠――裁判では過去の法律が蘇る
第三節 「公布→施行」というプロセス(過程)
第四節 立法は玉突き現象を起こす
第五節 法治国家という矜持
第五章 法律の目次
1 目次の意義
2 総論(総則)
3 各論(各則)
4 時系列
第六章 条文の見出し
第七章 参照条文
第八章 条文の探し方
1 必要な条文を法律の中から探す
2 問題 女性が結婚できる年齢
3 問題 司法官憲
第九章 資料集
第一〇章 総合事項索引と『法学用語辞典』
★第三編 条文の読み方
第一章 条文を読む前に
第一節 法律に矛盾はあるのでしょうか? それともないのでしょうか?
第二節 条文の特徴
一 条文の特徴を理解する
二 条文は、基本的な単語の意味を説明しない
1 社会常識の範疇とされる単語
2 基本的な専門用語
三 条文は、表やチャートを使わない
四 法律は、あらゆる場合を想定している
第二章 条文の引用の仕方
1 引用の意義
2 条
3 項
4 号
5 柱 書
6 但 書
第三章 条文を声に出して読む
第四章 「の」
第五章 条文を読むときは、三つのことに気をつける
第一節 主語に気をつける
第二節 末尾に気をつける
1 末尾の種類
2 「できる」
3 「する」
4 「しなければならない」
第三節 単語に気をつける
一 日本語だと思わない。外国語だと思う!
二 字面で意味を判断しない。――醤油は油ではない
三 単語が違えば、意味が違う。絶対に違う。――法律の世界に同義語はない
四 同じ単語でも、同じ意味とは限らない。意味が違うことがある。――多義語をマスターする
1 多義語を理解する――「裁判」を例に
2 日常会話の世界と法の世界では使われる言葉の意味が違う
3 法学用語は、広義の意味と、狭義の意味の二通りの意味がある――上位概念と下位概念
4 同じ法学用語でも、使われる領域(法律)が異なると、意味が違うことがある
★第四編 答案の書き方
1 根拠法条を必ず書く
2 問いに対する適切な条文を引用する
3 原則から答える
4 「憲法→法律」の序列を厳守する
5 根拠法条は細部まで詰めて書く
6 根拠法条がない場合は、ないと言い切る
まとめ
コラム① アガサ・クリスティーは偉大だ!
コラム② M先生の教え「六法を引いて、引いて、引きまくれ!」
コラム③ 逃がした魚は、アメリカ大統領の地位だった?!
コラム④ 編者とは何する人ぞ
コラム⑤ 弁護士の仕事ぶり
コラム⑥ 専門用語と日常用語はどうやって見分ければよいのですか?
◇第二部 応用編 明らかな間違いをしないようになろう!◇
はじめに――法律解釈の正解は一つではないけれども、明らかな誤りはある。
★第一編 明らかな誤りとは何でしょうか
第一章 条文の文言を見誤ると、0点の答案になってしまう――憲法一五条三項を例に――
1 公務員志望の学生を黙らせる一言「へぇ~、選挙に出るつもりなんだ」
2 「公務員の選挙」という文言は、「公務員を選挙で選べ」とは言っていない
第二章 首尾一貫していない答案も、0点の答案になってしまう。
1 「国家は法人か否か」――単語の理解とは、定義の暗唱ではない――
2 「中絶を告白した有名人は、なぜ堕胎罪で処罰されないの」――思考の停止の条文解釈――
3 「法廷では嘘をついてもいいの」――体系的理解(現行法全体から考える)の欠如――
4 「自販機で缶珈琲を買った場合、売買契約が成立するのはいつ?」――自己の解答の矛盾――
★第二編 明らかな誤りをしないために
第一章 議論こそが一番の力になる――カラオケ風会話ではなく議論をしよう――
第二章 私が文理解釈だけを教える理由――多様な解釈は情熱から生まれるけれども、文理解釈だけは学習が必要である――
第三章 文理解釈を身につけるための具体的な自習方法――比べて読もう!
第一節 法分野が変わっても、同じ単語は同じ意味である――刑法、民法はテンでバラバラに作られているわけではない
第二節 誰でも知っている単語という落とし穴
1 試験には出ないのに、働き始めた公務員がぶち当たる壁「接続詞」
2 うっかり間違え三〇〇〇万円の大損害。「行列」弁護士だって痛い目にあった「数値の副詞」
第三節 長い条文は、怖くない。「じゃない方」がある。――条文を短くして読んでみよう――
第四節 違う法律の条文を比べて読んでみる――全体は、部分に表れる
1 名詞を比べて読んでみる――「物」「動産」「財物」
2 動詞を比べて読んでみる――「~とする」「~とみなす」「~と推定する」
3 同じ「自由心証主義」の条文を比べて読んでみる――民事訴訟法二四七条と刑事訴訟法三一八条
第五節 条文解釈をマスターするための、お薦めの科目(法分野)
1 国際私法を学ぶ――体系的理解を会得する一つの手段
2 民事訴訟法と刑事訴訟法を比べて読む――比べやすい条文がたくさんある
単位が取れない学生へ――
1 電子辞書を止める
2 訳が分からない単語・表現は、上位概念だと予想する
3 答案では結論を書かないことにする!
コラム① 法律のプロ中のプロ、一番の専門家は誰?
コラム② 誰も信じてはならぬ。依頼人よ、あなたでさえも。
コラム③ 検察官とは何者ぞ。
コラム④ 眠ることが許されない機関。
コラム⑤ 準法律家って何?
コラム⑥ 究極の質問「法律って何ですか」――ブラジル憲法は世界一?
参考資料1 「並びに」「及び」「又は」「若しくは」について
参考資料2 旧刑法二二九条の適用対象について