目次
はじめに
第1章 北アイルランド紛争後社会と壁画――本書の目的と意義
1 他者との〈共生〉と北アイルランド紛争後社会
2 なぜ壁画なのか
3 集合的記憶への接近
4 外部者である調査者(私)の調査地への接近
第2章 北アイルランドという場――フィールドの政治・社会背景
1 北アイルランドに関する前提――用語の問題について
2 北アイルランド紛争・和平へのプロセス
3 ベルファストの空間的概況
第3章 北アイルランドの壁画の歴史と壁画研究――先行研究から明らかにされたこと
1 壁画の歴史
2 壁画研究の歴史
3 本書の方法
第4章 壁画の表象における顕在と不在――何を記憶し、訴えるのか
1 ベルファストの壁画数と題材
2 カテゴリーとその特徴
第5章 壁画のイメージの流通――イメージは、コミュニティでどのように受け継がれ、共有されていくのか
1 壁画の題材はどう表現されるのか
2 イメージの流通と共有
3 イメージの素材(引用元)/ 題材と場所
第6章 観光と社会統合とローカル・コミュニティ
1 北アイルランド・ベルファスト市の観光(限られた空間での、痕跡の強調という方針)
2 都市空間のイメージ――都市の無徴化を目指す政策
3 ローカル・コミュニティの実践――壁画には、どのような変化があったのか/なかったのか
第7章 二つのコミュニティ――和解プロジェクトに見る可能性と限界
1 和解の壁画――『ゲルニカ』プロジェクト
2 「文化」と政治――対立の記憶の表象と題材の困難
第8章 壁画と紛争経験の表象
1 絵という形態が作り出す共同性
2 文化による対話と対立
3 「別の対話モデル」――言い合う、ということがもたらすもの
おわりに