目次
序章 「夜食」の文化研究事始め 西村大志
1 この本の向かうところ
2 「夜食」という前提
3 各章の紹介
第1章 「夜食」と階層──落語から考える 西村大志
1 夜食を商売とする人の階層
2 夜食を商売とする人のなかでの階層差
3 夜食を外で食べる人の階層
4 夜食を食べる人のなかでの階層差
5 店舗を構えてはみたけれど
6 階層移動の夢──移動する夜商人から昼の固定店舗へ
第2章 路地裏の夜食史──一九二〇─三〇年代における屋台イメージの転換 近森高明
1 屋台の《原風景》
2 都市下層のファストフード
3 苦学生たちの屋台営業
4 発見される屋台の味覚
5 屋台の《原風景》を描き直す
第3章 ラーメン史を「夜」から読む──盛り場・出前・チャルメラと戦前の東京人 右田裕規
1 問題意識
2 沿革
3 盛り場/いかがわしさ
4 出前/非日常性
5 流しの屋台/悲哀
6 結論
第4章 若者の夜食はどう変わってきたか 井上義和
1 受容史的アプローチの試み
2 戦前期エリート学生の夜食事情
3 昭和三十年代の若者の夜食事情──夜食間食回顧調査から
4 夜食はどのように家庭に入ってきたのか
第5章 地方からみた「夜食」──都市的まなざしに抗して 島岡 哉
1 農村──奈良県・大和盆地の農村地帯
2 山村──奈良県吉野郡の山村地域から
3 漁村──三重県尾鷲市をはじめとする東紀州地域から
おわりに 西村大志