目次
序章 日本のミュージアムの現状と課題とは?
1 サムスン・リウム美術館
2 世界のミュージアム事情
3 国立新美術館──日本の美術館の縮図
4 本書の構成
第1章 万国博覧会という劇場
1 万博とミュージアム
2 メディアとしての博覧会
3 大阪万博──未曾有の国家的イヴェント
4 皇紀二千六百年博の再来
5 愛・地球博──万博の現在と未来
第2章 思想としての日本民藝館
1 日本民藝館とは?
2 柳宗悦──その関心の軌跡
3 「民藝」の誕生と美術館構想
4 平和主義とオリエンタリズム
5 モノの思想
6 宗悦の美術館観
7 日本民藝館の現在と今後
第3章 上野公園の美術と記憶──ミュージアムパークのゆくえ
1 リニューアルした東博
2 「文化の森」以前の上野公園
3 町田久成──上野の山に博物館建設を夢見た男
4 博覧会から博物館へ
5 巨大化する博物館
6 「美術」と「記憶」
7 「上野の山」の現在と未来
第4章 戦争展示のポリティクス──遊就館の両義性
1 神社のなかのミュージアム
2 靖国の由来と歴史
3 「英霊顕彰」の展示とは?
4 その展示の特徴
5 戦争博物館のタイプ
6 遊就館の存在意義
7 美術館としての遊就館
第5章 セゾン美術館から森美術館へ──〈文化〉の転換と美術館
1 ミュージアムとしての催事場
2 西武美術館──その前史と黎明期
3 三つの方向性──西武美術館の多彩な活動
4 セゾングループの文化戦略
5 セゾン文化の黄昏と人材の流出
6 森美術館──新たなメガ・ミュージアムの誕生
第6章 ICCとメディアアートの(不)可能性
1 緊急ライヴ・イヴェント『ic uc wc』
2 ICCの十六年──構想から開館以降
3 表面化する問題と閉館の危機
4 存続問題の顕在化
5 ICCの公共性と情報開示
6 ICCの存在価値はどこに?
7 活動を再開したICCのこれから
第7章 美術館と地域文化
1 山口情報芸術センター──地方都市の情報戦略とメディアテーク
2 金沢21世紀美術館──市民参加型美術館の地域再生戦略
3 遺跡のなかの美術館
第8章 国公立美術館の現状と課題──独立行政法人と美術館経営
1 制度上の諸問題
2 独立行政法人の功罪
3 公立美術館の経営問題
4 改善委員会の提言と再建
5 今後の展覧会企画
第9章 グローバリズムのなかの「ミュージアム」
1 マルチカルチュラリズムという概念
2 グローバリゼーションという概念
参考文献
あとがき