紹介
「平和というなら、まず子どもたちから始めさせてください」
──イェラ・レップマン
第二次世界大戦で焦土と化したドイツから、
荒廃した子どもたちの心に希望の種を蒔くことを、
世界に発信したイェラ・レップマン(1891-1970)。
その願いに応えて、世界各国から贈られた子どもの本を集めた「図書展」が実現し、
その後、レップマンの熱い思いは、「ミュンヘン国際児童図書館」の開館、
子どもの本をとおした国際理解を理念とする「国際児童図書評議会(IBBY)」(77の国と地域が加盟)、子どもの本のノーベル賞と呼ばれる「国際アンデルセン賞」の誕生へとつながっていきます。
2014年に創立40周年を迎えたJBBYの企画展示を基に、
レップマンの生涯、IBBYと「国際アンデルセン賞」について紹介。
世界中の子どもたちに「読書の喜び」を伝える
IBBYとJBBYの活動をとおして、「子どもの本」について考えます。
児童書関係、図書館関係の方には、必読の本です!
【特別寄稿】国際アンデルセン賞受賞 上橋菜穂子氏、デイヴィッド・アーモンド氏
目次
一粒の種から――子どもの本がつなぐ世界【早川敦子】
▼第1部 イェラ・レップマンとIBBYの誕生
「子どもたちに本を」
──イェラ・レップマンの人と仕事
【眞壁伍郎/新潟大学名誉教授】
荒れ地からの出発
──IBBYの原点
▼ミュンヘン国際児童図書館展示資料(JBBY40周年記念展示パネル)より
世界に開かれた「本の城」
──ミュンヘン国際児童図書館
【クリスティアーネ・ラーベ/ミュンヘン国際児童図書館館長】
▼第2部 国際アンデルセン賞──子どもの本のノーベル賞
国際アンデルセン賞
──IBBYの理念の体現
【宇野和美/翻訳家】
温かい網に包まれて
──受賞までの道程
【上橋菜穂子/2014年国際アンデルセン賞作家賞受賞】
物語の木、あるいは、上橋菜穂子論のための素描
【宮川健郎/武蔵野大学教授・JBBY副会長】
想像する力
【デイヴィッド・アーモンド/2010年国際アンデルセン賞作家賞受賞】
▼第3部 JBBYの歩み、そしてこれから
私にとってIBBYとは
──いま「3・11絵本プロジェクトいわて」とともに
【末盛千枝子/「3.11絵本プロジェクトいわて」代表】
世界地図が変わりゆくなかで
──私たちに問われていること(IBBY/JBBY元会長 島多代氏に聞く)
JBBYの歩み【板東悠美子】