目次
序章
第I章 文化批評としての「翻訳」
──ポストコロニアル批評と翻訳論
1 多様性と越境のダイナミズム──翻訳論の現代的展開
◉スーザン・バスネットからガヤトリ・C・スピヴァクまで
2 翻訳による植民化・脱植民化──共犯と批評の展開
◉ダグラス・ロビンソン
3 異質性がせめぎ合う「コンタクト・ゾーン」──翻訳の磁場
◉シェリー・サイモン、ミカエラ・ウルフ
4 時間軸と空間への介入──「普遍性」に対峙する文化「翻訳」
◉ホミ・バーバ
5 翻訳者の立ち位置──翻訳の歴史の「読解」
◉ローレンス・ヴェヌーティ
第Ⅱ章 再・読/記述としての「翻訳」
──モダニズム後と歴史の解体
1 再記述としての翻訳
◉アンドレ・レフェヴェール
2 「再読」から「再翻訳」へ
◉テジャスウィニィ・ナイランジャナ
3 インターテクスチュアリティとしての翻訳──バベル神話の崩壊
◉ジャック・デリダ
4 歴史の「再読」──ディコンストラクションと翻訳論
◉スピヴァクのデリダ解読と翻訳
第Ⅲ章 「他者」を語る言説
──「物語」への注視
1 ナラティヴ論の転回と「大きな物語」の解体
◉ヘイデン・ホワイト、ポール・リクール、
ジャン=フランソワ・リオタール
2 歴史意識に協働する「記憶」
◉ティム・ウッズ
3 「ホロコースト」と歴史の記憶
──ポストモダニズムのナラティヴ
◉ロバート・イーグルストン
4 ホロコースト言説への助走──「痕跡」の記憶
◉エマニュエル・レヴィナスとデリダ
第Ⅳ章 忘却への抵抗
──ホロコーストを語る自伝
1 「ホロコースト文学」という言説
2 ホロコースト「その後の生」と自伝──「不在」を語る言説
3 表象の解体──「他者」へのまなざしが向かうところ
4 「時間」への応答──「記憶」の主体
第Ⅴ章 世界文学とは何か
──越境のアポリアを超えて
1 自身を語ること
◉アン・ホワイトヘッド、ローラ・マーカス
2 他者を語ること
◉クリストファー・ビグズビィ、ベラ・ブロズキ
3 未来への記憶と翻訳
◉V. ウルフ、ヴァルター・ベンヤミンからリクールへ
4 世界という言説
◉ティム・パークス、デイヴィッド・ダムロッシュ
結び