紹介
[中原佑介美術批評選集第8巻]
中原佑介が、変貌する芸術の核心に迫る。
数々の美術批評と、「人はなぜ絵を描くのか」という根源的な問いから、中原は現代美術に新たな視点を生み出した。
—川俣正
対話形式で現代美術のさまざまな動向を解説する『現代芸術入門』の復刊と、20世紀前半に生じた芸術の決定的な変化についての論考。
本巻は、20世紀美術を考察した文章を収めた。第1章には、現代芸術について対話形式で書かれた『現代芸術入門』(美術出版社、1979年)を収録した。第2章は、20世紀美術のうち、中原がとくに関心を抱いたロシア・アヴァンギャルド、マルセル・デュシャン、コンスタンティン・ブランクーシに関する文章を選んでまとめた。
目次
第1章 現代芸術入門
現実とつくられたかたち 比較について
芸術は歴史をひきつぐ 参照について
芸術はコミュニケーションの手段を変える メディアの転換について
抽象美術とは何か〔上〕 二つのタイプ―ピカソ型とマチス型について
抽象美術とは何か〔下〕 立体をめぐって
自然と美術 物体と状態について
写真のひらく新しい世界 美術との交流をめぐって
絵画は中心を捨てた 均質と反覆の構造
台座をなくした彫刻 大地との関係について
万物は流転する 動く芸術について
もうひとつの個性の形成 規則に従った絵画について
美術と機械の混血児たち 発明について
人工と自然の接点 「かたち」について
第2章 西洋近代美術の実験への関心
立体未来派から構成主義へ
言葉と物体の平行 デュシャンとウィトゲンシュタイン
【架空対談】 ピカソ、デュシャン 両巨匠、大いに語る
終わりなき始まり