目次
はじめに
凡例
第Ⅰ章 中世・ルネサンス
1 事物の要だけに関心を向ける
フォーゲルヴァイデ《パレスチナの歌》とジョット《ヨアキム
の夢》
2 自然な感情の発露――「個」としての人間と故郷の絵画
イザーク《インスブルックよ、さようなら》とレオナルド・ダ・
ヴィンチ《モナリザ》
3 マイスターの時代からマニエリスムへ
ハンス・ザックス《ダヴィデは謹厳で正直だったので》ブロン
ツィーノ《「愛」の勝利の寓意》
第Ⅱ章 一七~一八世紀前半
1 明と暗、強と弱、聖と俗を対比させるバロック時代
ハマーシュミット《キスのテクニック》とカラヴァッジョ《聖
マタイのお召し》
2 キリスト教から離れた世俗の教訓
バッハ《喫煙者の教訓》とド・トロウ《寓意「真実のヴェール
を取り去る『時』」》
第Ⅲ章 一八世紀後半
1 ロココと啓蒙主義のモーツァルト
モーツァルト《すみれ》とフラゴナール《ぶらんこ》
2 もう一つのロココ 流行と渦巻く陰謀
モーツァルト《魔笛》とゴヤ《パラソル》
第Ⅳ章 一九世紀前半
1 栄光と没落、巨人と廃墟
ベートーヴェン《はるかな恋人に》とロベール《廃墟となった
ルーヴルのグランド・ギャラリーの想像図》
2 フランス革命の産物 英雄の死と壮大な世界観
ベートーヴェン《歓喜の歌》とゴヤ《ピオの丘での銃殺》
3 普遍的な女性像 グレートヒェンとプシュケー
シューベルト《糸を紡ぐグレートヒェン》とジェラール《キュー
ピットとプシュケー》
4 命を象徴する乙女、あらがえない運命を導く死
シューベルト《死と乙女》とカニャッチ《マリア・マグダレーナ
(死と乙女)》
5 暗い時代に若者が求めたのは過去、遠方、夜の慰め
シューベルト《音楽に寄せて》シュヴィント《シュパウン家での
シューベルトの夕べ》
6 《冬の旅》をめぐる三月前期の若者三人
シューベルト《冬の旅》とフリードリヒ《雪の墓地》
7 変貌する都市 発展と孤独
シューベルト《白鳥の歌》とラウザーバーグ《コールブルック
デールの夜景》
第Ⅴ章 一九世紀中頃
1 ささやかな幸せを追う一般市民
シューマン《ミルテの花》とシュピッツヴェーク《さぼてん愛好
家》
2 物想いを誘う夜
シューマン《月の夜》とハーゼンクレーファー《センチメンタル
な女》
3 女性と女流画家の社会進出
シューマン《女の愛と生涯》とルブラン《マリー・アントワネッ
トの肖像を描くヴィジェ・ルブラン》
4 淡い詩、繊細な音楽、霧と煙り
シューマン《詩人の恋》とターナー《平和 海への埋葬(ウィル
キーの死》
第Ⅵ章 一九世紀後半
1 夜中にさまよい、後悔する男
ブラームス《ぼくは思い切って起きた》とグリムショー《月光の
下の古い会館》
2 祖国ドイツを意識して 童話と森、妖精、夢
ドイツ民謡とフィッツジェラルド《コウモリに挑む妖精たち》
3 死について
ブラームス《四つの厳粛な歌》とベックリン《死の島》
第Ⅶ章 一九世紀末
1 子どもを見る大人のまなざし
ヴォルフ《少年とミツバチ》とラーション《叱られて》
2 中世騎士への憧れ
ヴォルフ《炎の騎士》とバーン=ジョーンズ《慈悲深き騎士》
3 浮遊する音楽、浮遊する絵画
ヴォルフ《月がつらく悲しい気持ちで空高く昇り》とセガン
ティーニ《淫蕩の罰》
第Ⅷ章 一九世紀末から二〇世紀初頭へ
1 東洋への関心
マーラー《亡き子をしのぶ歌》とモネ《ラ・ジャポネーズ》
2 男女同権に向かって
マーラー《子どもの不思議な角笛》とシュトゥック《毒杯を薦め
るキルケ》
3 官能の美の世紀末
シュトラウス《あした》とクリムト《接吻》
4 幸せな夫婦像
シュトラウス《謹呈》とアマン=ジャン《エラ》
第Ⅸ章 二〇世紀初頭
1 点を見つめる目
シェーンベルク《夏のだるさ》とスーラ《エッフェル塔》
2 心を蝕まれた人々 オーストリア
ウェーベルン《黄昏の地》とホドラー《生に疲れる人々》
第Ⅹ章 二〇世紀中頃
1 顔が見えなくなってしまった人間
ロイター《町》とキリコ《不安がらせるミューズたち》
2 宇宙を感じさせる虚無の時間
シェック《あの星が見えるかい》とダリ《記憶の固執》
あとがき
CD一覧
図版一覧
基本文献
音楽・美術用語索引