目次
【目 次】巻頭言 安西祐一郎刊行にあたって 小林 良彰序 伊藤 陽一第1部 文化の国際流通が市民意識に及ぼす影響第1章 日本人はすでに「西洋コンプレックス」を解消したか? —透明化、自然化、内面化する「西洋」— - 津田 幸男 はじめに Ⅰ イデオロギーとしての英会話・英会話症候群・英語コンプレックス Ⅱ 日本人は「英語コンプレックス」を脱出した? Ⅲ 日本人は「西洋コンプレックス」を解消したのか? 1 英語の世界標準語化:権力化する英語 2 英語の氾濫とアメリカへの憧れ 3 「西洋美」情報・言説の支配 4 根強い西洋への憧れ〜パリ症候群 Ⅳ 根強い名誉白人症候群 Ⅴ 西洋文化支配の透明化・自然化・内面化 おわりに第2章 メディア・グローバリゼーションと文化変容 - 三上 俊治 Ⅰ メディア・グローバリゼーション—その現状と問題 Ⅱ メディア・グローバリゼーションと文化変容 1 国際コミュニケーションに関する3つのモデル 2 「ダラス」(Dallas)は世界各国でどのように受容されたか 3 日本のテレビドラマは世界各国でどのように受容されているか 4 「冬のソナタ」の日本での大ヒットと韓流ブーム Ⅲ グローバル社会情報システムのメディア・エコロジー 1 グローバル化に伴う社会情報環境の変化 2 メディア環境のグローバル化 3 情報行動のグローバル化第3章 世界化とフランス文化 - 伊藤 英一 はじめに Ⅰ グローバル化と世界化 Ⅱ 世界化とフランスの言語—その国際性と多様性 1 フランスの言語と国際性 2 フランス語と国内言語の多様性 Ⅲ フランス映画を巡る国際交渉 1 世界化の中の映画産業と文化 2 フランス映画と米国 3 貿易自由化と文化的例外 Ⅳ フランスと文化的多様性 1 世界化と文化的多様性 2 文化の一様化への危惧と対峙 3 文化的多様性と市民意識 おわりに第2部 市民意識が文化の国際流通に及ぼす影響第4章 韓流映像コンテンツの流通とその意義 - 金 美林 はじめに Ⅰ 「韓流」の現状 1 韓国映像コンテンツの輸出 2 「韓流ブーム」の経済効果 3 各国における「韓流」 おわりに第5章 台湾の日本大衆文化受容、「哈日族(ハーリーズー)」についての考察 - 酒井 亨 はじめに Ⅰ 「哈日族」の登場背景 1 「哈日族」の定義 2 日本の植民地支配と相対的「親日」感情 3 戦後の日本文化禁止と民主化による解禁・受容 Ⅱ ドラマに見る「哈日族」の現状 Ⅲ 文化帝国主義論とアメリカナイゼーション論の批判的考察 1 文化帝国主義論の批判的考察 2 グローバル化=アメリカナイゼーション論の問題 3 主体的かつ選択的な受容 おわりに第3部 文化の国際流通を支配するもの第6章 日本アニメの世界流通と受容・市民意識 —国際コミュニケーションにおける存在と影響 - 井上 泰浩 Ⅰ 国際コミュニケーションとしてのアニメ Ⅱ 国際流通と人気度 1 ビジネスとしてのアニメ 2 東映アニメーションと「ドラゴンボール」 3 アメリカ市場 4 ヨーロッパ 5 アジア 6 現地化 Ⅲ 海外での受容と人気の理由 1 「ポケモン」は例外的 2 ストーリーの複雑さ 3 マンガの存在 4 無国籍性とブランド Ⅳ 市民意識への影響 1 日本語学習誘引説 2 ソフト・パワーへの影響第7章 メディアの寡占化とネット空間 - 海後 宗男 Ⅰ マス・メディアの力 Ⅱ メディアの寡占化 1 巨大メディア企業の誕生 2 メディアの寡占化と米国の映画業界 3 メディアの寡占化と米国の音楽業界 Ⅲ メディアの寡占化の問題 1 先進国のバイアス 2 メディアの寡占化に対する「抵抗」勢力とネット空間 3 情報の共有と所有権 4 デジタル・ファイルとコモンズの可能性と課題 IV ネット空間の力 第8章 映画の国際流通のパターンと規定要因 - 伊藤 陽一 はじめに Ⅰ 映画の国際流通の量と方向に関する諸理論 1 市場メカニズム論、または「比較優位」説 2 (情報・文化)帝国主義論 Ⅱ 映画の国際流通の量と方向のパターン 1 世界全体 2 日本 Ⅲ 映画の国際流通の規定要因 1 変数と標本 2 結果 3 議論 おわりに 第9章 大衆文化の国際流通パターンと規定要因に関する日韓比較研究 - 金 美林 はじめに Ⅰ 先行研究 Ⅱ 調査の概要 Ⅲ 外国テレビ番組 1 視聴傾向 2 視聴の規定要因 Ⅳ 外国映画 1 鑑賞傾向 2 鑑賞の規定要因 おわりに第10章 「高級文化」の国際流通のパターンと規定要因 —翻訳図書と留学生 - 伊藤 陽一 はじめに Ⅰ 問題の所在 Ⅱ 翻訳図書の国際流通パターン 1 翻訳図書のシェアの推移 2 現在の世界の翻訳図書市場における各国語のシェア 3 日本の翻訳図書市場 Ⅲ 留学生の国際移動パターン おわりに索引