目次
序章 日独文化交流前史――第二次世界大戦まで
・ケンペル
・シーボルト
・留学生とお雇い外国人
・ヘリゲル、タウト、川上貞奴
第一章 現代文化
1 マンガ、アニメ
2 食文化
3 和太鼓
4 落語
第二章 伝統文化
1 茶道
・ベルリン
・ミュンヘン
・シュトットガルト
・フランクフルト
・フライブルク
・デュッセルドルフ
・ハンブルク
2 生け花
・草月流
・小原流
・池坊
3 舞台芸術
・能・狂言
・歌舞伎
・文楽
4 日本庭園と盆栽
・ベルリン、融水園日本庭園
・ミュンヘン・ウェストパーク、日本庭園
・アウクスブルク、日本庭園
・カールスルーエ、日本庭園
・カイザースラウテルン、日本庭園
・ボン・ラインアウエンパーク、日本庭園
・デュッセルドルフ・ノルドパーク、日本庭園
・デュッセルドルフ・「恵光」日本文化センター、日本庭園
・ビーレフェルト、日本庭園
・ハンブルク・プランテン・ウン・ブローメン公園内、日本庭園
・ハンブルク大学植物園内、日本庭園
・ポツダム郊外、盆栽日本庭園
・ミュンヘン郊外、盆栽作家ウォルター・ポール氏
・シュトットガルト郊外、盆栽作家ヴァレンティン・ブロッセ氏
・デュッセルドルフ郊外、盆栽ミュージアム
第三章 日本美術
・ベルリン東洋美術館
・ドレスデン美術館
・ミュンヘン五大陸博物館(旧ミュンヘン国立民族学博物館)
・リンデン博物館
・ハイデルベルク民族博物館
・フランクフルト工芸美術館
・ケルン東洋美術館
・ランゲン美術館
・ハンブルク美術工芸博物館
・ハンブルク民族学博物館
第四章 俳句
1 初期の俳句紹介
2 俳句理解の深化
3 俳句の普及
第五章 日本語図書
1 翻訳大国ドイツ
2 日本文学の翻訳出版
3 ドイツ語に翻訳された日本の古典文学作品
4 日本語図書のドイツ語訳出版
5 「日本文庫」の出版
第六章 日本語教育と日本学
1 日本語教育の意義
2 日本語教育と日本学の歴史
3 ドイツの大学と日本学
第七章 大学における日本学
・フンボルト大学
・フンボルト大学森外記念館
・ベルリン自由大学
・ライプチヒ大学
・ハレ大学(マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク)
・ミュンヘン大学(ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン)
・テュービンゲン大学(エーバーハルト・カールス大学テュービンゲン)
・ハイデルベルク大学(ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク)
・フランクフルト大学(ヨハン・ウォルフガング・ゲーテ大学フランクフルト・アム・マイン)
・トリア大学
・ボン大学(ライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学ボン)
・ケルン大学
・デュッセルドルフ大学(ハインリヒ・ハイネ大学デュッセルドルフ)
・デュースブルク=エッセン大学
・ルール大学ボーフム
・ハンブルク大学
第八章 ドイツ各地の日本文化
1 ベルリン
・ベルリン日本国大使館
・ベルリン日独センター
・ベルリン国立図書館
・ベルリン独日協会
・ジャパン・フェスティバル・ベルリン
・ベルリンの日本人社会
2 ライプチヒ
・ライプチヒ・ブックメッセ
・ドイツ書籍文書博物館
・「日本の家」
・バッハ資料財団国際広報室長、髙野昭夫氏
3 ミュンヘン
・ヤーパン・フェスト(日本祭り)
・ソプラノ歌手、中村恵理
・アイゼンブッフ、禅センター普門寺
・ディンケルシェルベン、正宝寺
4 フランクフルト
・日本語普及センター
・ニッポン・コネクション
・フランクフルト・ブックフェア
・フランクフルト独日協会
・フランクフルト・日本デー
・日独盆踊り会
・メゾソプラノ歌手、白井光子
5 ボン
・早稲田大学ヨーロッパセンター
・筑波大学ボン事務所
6 ケルン
・ケルン日本文化会館
・天理日独文化工房
7 デュッセルドルフ
・日本デー(ヤーパン・ターク)
・日本クラブ
・「恵光」日本文化センター
・デュッセルドルフ日本人学校
・日本映画週間
・「ニュースダイジェスト」
8 ハンブルク
・ハンブルク独日協会
・マンガ出版社「トーキョーポップ」
・ハンブルク日本映画祭
・日本フェスティバル
・禅宗寺院 テンブロイ天龍氏
終章 日独文化交流の将来――東西文明・文化の融合へ
・日独文化交流の現在
・ドイツに学ぶ
・日本文化の特質
・東西文明・文化の融合へ
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
前書きなど
あとがき
私は日本文学、中でも西行諸歌集の文献学的研究に長年取り組んできたが、十年余り前に大きな区切りがついた。それを機に、若い頃から大きな関心を持っていた「海外における日本文化」、すなわち海外で日本の文化がどのように受け入れられているか、という研究テーマで世界各地を歩きながら調査研究するようになった。私にとってこのテーマは、従来からの日本文化の根源に対する関心の、いわば延長線上にあるものであった。
まずアメリカについて纏めたものを二〇一三年七月に上梓(『アメリカに渡った日本文化』)、本書はそれに続くものである。
アメリカについて纏めた時もそうであったが、この度も実際に現地で日本文化関係の施設や機関、また日本文化の普及に携る人々を訪ね、国内外で数百人の方々と懇談させていただいた。
ドイツに渡った日本文化について、一つ一つの分野には優れた先学がおられ、そのご業績に大きな恩恵を受けたが、ドイツに渡った日本文化全体を扱った研究成果は管見に入らない。
本書では、日本の文化がドイツでどのように受け入れられているか、各分野にわたる受容の具体例を、できるだけ客観的に記述するよう心掛けながら提示し、その上で日独両国が今後進むべき道について考察した。
(…攻略…)