目次
はじめに
第1章 保健師と子ども虐待
1 世界に誇れる母子保健に至るまで
2 頭から離れなかった「虐待」という二文字
3 支援者も対象者も支えられることで生まれるゆとり
4 「措置」「指摘」ではなく、「支援」へ
5 そして、今
6 市町村保健師の出番
◇コラム◇
母子保健の着実な実行で虐待予防を叶えたい
第2章 予防の三段階
1 厚みのある母子保健活動の仕組みにこそ虐待予防の視点を
2 一次から二次・三次「予防」に共通する目的と対応原則
◇コラム◇
私の惑いの救われ方
二次予防の代表格 スクリーニングはツールの1つ
非器質性発育障害NOFTT
虐待通告は、義務
第3章 多分野・多職種協働は大原則―ネットワーク―
1 ネットワーク拠点の要対協
2 親子のリジリエンスを支える
3 柔軟性と自由度の高い個別ケース会議
4 個別ケース会議は、事例からの学びと施策の宝庫
5 つなげない、つながない、かかわらないからの脱出
6 支援者もケアを必要としている
7 死亡事例から引き受ける重い痛み
◇コラム◇
個別ケース会議で実行力のあるシステムを
個別ケース検討が支援者にもたらす効能
「人間は間違える」が前提
第4章 妊娠期からの親子支援
1 妊娠中のメンタルヘルスの重要性
2 待ちに待った「特定妊婦」の法定化
3 特定妊婦の規定による混乱を乗り越えて
4 模索しながら進もう。妊娠期の支援のあるべき姿を求めて
◇コラム◇
妊娠期のSOS――妊婦のみならず夫やパートナーの性格傾向を知る
母子健康手帳交付時面接を好機に
通知を連携・協働の手段に
ハイリスク妊婦と特定妊婦
第5章 赤ちゃんのいる生活
1 新生児訪問と全戸訪問
2 入り口の母子保健から家族支援・地域支援へ
◇コラム◇
万能感は弊害
第6章 「親を理解したい」から始まる個別支援
1 「出会い」は、緊張の瞬間
2 「ネガティブ感情も表出してもらえる人」になる――専門的な出会い方
3 援助関係が成立するということ
4 アセスメント(判断)は成熟する
◇コラム◇
拒否されたり、心を開いてくれない1つの理由
「何かあったら相談してね」と言われていたけど
第7章 自己否定からの解放を促す親支援グループ
1 親支援グループ(PSG)とは
2 一次予防のグループ、二次予防のグループ
3 育児サークルなどに参加する親の二面性
◇コラム◇
「試し行動」
関係性から生じる課題に取り組む自助グループの可能性
第8章 災害という恐怖と子どもたちの危機
1 脅威体験や喪失体験で心に傷を負った親や子ども
2 子どもの不安定を引き寄せる親の不安
3 疲弊する親を救い、震える子どもを守る
4 私たち保健師は、被災体験を有する親子に「なに」ができたのだろう
◇コラム◇
どうしたら…よかったのだろう…せいいっぱい…
おわりに――暴力関係からの解放、そして回復へ