目次
はじめに
一 本書のねらい 近代科学史の一研究として
二 調査の対象と研究方法について
三 本書の構成
第一章 地球の形状と三角測量
一 地球の真実の形状をめぐる議論
二 モーペルテュイとラップランド測量遠征
三 ペルー遠征隊のゆくえ その成果と再発見
四 植物学領域での貢献 ジュシューとキナノキ
五 カッシーニ三代とフランス測地図
六 原初メートル ドゥランブルとメシャンのパリ子午線計測
第二章 テューリンゲン測量とミュフリング大尉
一 パリとゴータ間の相互影響関係 ラランド、ツァッハ、ガウス
1 ラランドとツァッハの共同事業
2 ゴータ開催の第一回国際天文会議
3 ガウスと彼の発明した最小二乗法
4 テューリンゲン三角測量へのツァッハの貢献
二 ゲーテの『親和力』とミュフリング大尉
三 ジャン・パウルの小説『カッツェンベルガー博士の湯治旅行』
凛々しき登場人物・トイドバッハ大尉
四 トランショとミュフリングによるライン地方地図測量
五 ミュフリングとプロイセン測量
第三章 学術図版と自然景観図
一 ゲーテとヴァイマル自由絵画学校
二 イェーナ大学専属絵画教師
1 大学専属絵画教師という職業
2 イェーナ大学専属絵画教師 シェンク、エーメ、ルー
3 数学教授ゲルステンベルクとケバ付け技法
三 気圧計を用いた標高測定
1 一八〇〇年前後の「見る欲求」と気圧計による標高測定
2 A・v・フンボルトの『チンボラソ山登頂の試み』
3 W・A・ミルテンベルクの『地球の標高』
4 ヴァイマル大公カール・アウグストとゲーテが気象学に関心を持った理由
5 初代イェーナ大学附属天文台長シュレーンと公国内気象観測網
6 ホッフによる携帯用気圧計を使った地形測量
四 ゲーテ時代の自然景観図
1 ゲーテの自然景観図《新旧大陸の標高比較》とフンボルトの修正
2 ゲーテがルーに依頼した《象徴的雲の形成》原画
3 ゲーテお気に入りの一幅
──医師ヴィルブラントとリトゲンの共作《有機的自然の景観図》
第四章 江戸時代の日欧相互学術交流
一 江戸時代の天文学 ラランドと天文方・高橋至時
二 ナデシュダ号艦長クルーゼンシュテルンとサハリン
あるいはゲーテと日本の間接的結びつき
三 地質学者レオポルド・フォン・ブーフと日本の火山
四 伊能忠敬の『大日本沿海與地全図』とシーボルトの『原図日本国図』
1 密命を帯びたオランダ商館医シーボルト
2 江戸城紅葉山文庫の『伊能図』
──または三人の地理学専門家 最上徳内、間宮林蔵、高橋景保
五 アンナ・アマーリア公妃図書館所蔵の二枚のシーボルト図
ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公国の日本への飽くなき関心
第五章 日本におけるプロイセン式三角測量
一 日本の三角測量の基礎を築いた田坂大尉
1 プロイセンに留学した日本人将校たち 第一次世界大戦まで
2 ドイツにおける田坂虎之助の足跡 公文書調査から判明したこと
3 ヨルダンの教科書翻訳とその改訂
二 日本アルプスの測量調査
1 日本の一等三角点網と測量官・館潔彦
2 日本山岳会創設
3 柴崎測量官と剱岳測量
終わりに
謝辞
注
文献リスト
主要人名索引