目次
はじめに
序 地球社会の課題と人間の安全保障(山影 進)
I 歴史の教訓
〈誰〉をめぐる問いかけ——マダガスカルの歴史から(森山 工)/なぜ独立国家を求めるのか——ギリシアからコソヴォまで(柴 宜弘)/ジェノサイドという悪夢(石田勇治)
II 文化の潜勢力
差別・暴力の表象と他者——エドワード・サイードのメッセージ(林 文代)/読み書きと生存の行方(中村雄祐)/点字の歴史と構造——声調言語と盲人を巡るリテラシー(吉川雅之)
III 経済発展の未来
貧困削減をめざす農業の試練(木村秀雄)/環境と向き合う知恵の創造——沖縄農業の挑戦(永田淳嗣)/サステナビリティと地域の力(丸山真人)
IV 社会の再生
越境する人々——公共人類学の構築に向けて(山下晋司)/深化するコミュニティ——マニラから考える(中西 徹)/「つながり」から「まとまり」へ——中国農村部の取り組み(田原史起)
V 平和の実現
崩壊国家のジレンマ(遠藤 貢)/平和構築論の射程——難民から学ぶ平和構築をめざして(佐藤安信)/新しい日本外交——「人間の安全保障」の視点から(大江 博)/平和構築の現場——日本は東ティモールで何をしたのか(旭 英昭)
結 人間存在の地平から——人間の安全保障のジレンマと責任への問い(高橋哲哉)