紹介
芸術創造拠点づくりは自治体が単独で行なえるものでなく、市民、芸術家、NPO、企業など多彩な担い手たちの登場が必須で、そこでは人びとや組織をつなぐネットワークづくり、人材や資金、そして場所をめぐる官民のパートナーシップ構築が重要な条件になってくる。
本書では近くにありながらそれぞれ独自の文化政策を展開している京都、大阪、神戸の3都市における芸術創造拠点を長期間にわたり取材し、浮かび上がってきた事例をもとに「文化政策人材」「官民からの資金調達」「場の自主管理」を報告する。
財政難による自治体の文化予算の削減のなか、評価の定まっていない同時代の芸術を支援し、民の力が推進力となって生まれ、官民の連携がおこなわれてきたという共通項をもつ、これらの拠点を子細に検討することにより芸術創造と官民協働の将来像を描き出す。自治体関係者、NPO団体や文化政策学、アートマネジメント研究者必読の1冊。
目次
1章 文化政策の成果と課題
2章 文化政策研究とガバナンス理論
3章 京都芸術センターの試み
4章 大阪の劇場寺院・應典院の取り組み
5章 神戸・CAP HOUSEの実験
6章 地域ガバナンスと芸術創造拠点
7章 提言・これからの文化政策