紹介
蒸した米を酒に、練った小麦粉をパンに変える一方、食べ物を腐らせたり、恐ろしい伝染病を起こしたりするのも微生物。そして、動植物の遺骸や人間が作りだすゴミを分解し、地球と共生しながら地球を回しているのも微生物。
では微生物とは一体どんな生き物なのだろうか?じつは答えるのが難しいこの問いに対し、本書では、「見えない」「巨大な」「多様な」という3つの形容詞を鍵にして語っていく。そして、その中でも「多様性」について、「発酵する微生物」「病気を起こす微生物」「環境の中の微生物」の3つのトピックに分けて、詳しく解説する。
文化功労者で日本学士院会員でもある著者が贈る、読みやすく、わかりやすい微生物の「新しい」教科書。
目次
1 微生物とは何だろう?
1-1 微生物は見えない生き物
1-2 微生物は巨大な生き物
1-3 微生物は多様な生き物
1-4 微生物と人間のかかわり
2 発酵する微生物
2-1 発酵とは何だろう?
2-2 発酵という文化
2-3 新しい微生物、新しい発酵
2-4 次の世代に向かって
3 病気を起こす微生物
3-1 歴史の中の感染症
3-2 病原体との戦い
3-3 新しい感染症の姿
4 環境の中の微生物
4-1 環境を支える微生物
4-2 共生する微生物
4-3 集団としての微生物
4-4 地球環境と微生物