紹介
近代国家が海賊を生んだ?!
西洋の「ウスコク」と東洋の「倭寇」、遠く離れた海で
同時期に発生したふたつの海賊集団の実態と背景を探るーー
「海賊の黄金時代」の100 年以上前に生まれ、
黄金時代到来以前に消えていった
東欧クロアチアのウスコクと、東シナ海の倭寇。
彼らは、貧しい人々が16・7 世紀の経済、政治や
軍事の変化に反抗した一例といえるのではないか。
そして、そこには近世国家の成立という共通項が
あるのではないかーーその視点を出発点に、ウスコクと倭寇、
東地中海と東アジア海域の海賊の比較を試みる。
【シンポジウム
『16、17世紀の海上貿易と海商、海賊』報告書[英訳付き]】
Uskok of the Adriatic Sea and Wako of the East China Sea.
目次
主な内容:
S・ラザニン(移民・民族研究所[クロアチア]研究員)
『難民から海賊へーーウスコクとそのアドリア海での
活動に関する史学史的概論』
N・シュテファネッツ(ザグレブ大学教授)
『ウスコク、戦争と交易の間で
ーーアドリア海とその後背地をめぐるヴェネツィア・
オスマン・ハプスブルク関係の中で』
飯田巳貴(専修大学 准教授)
『16-17 世紀のヴェネツィアとアドリア海の海外領土、
経済的側面からの考察』
松浦章(関西大学教授)
『16 世紀中葉から17 世紀初頭の東アジア海域の
海上貿易と海商・海賊』
上田信(立教大学教授)
『「徽王」考―王直が描いた政治構想』 (予定)