目次
序文
第Ⅰ部 子どもの権利条約
第一章 子どもの権利条約
1 子どもの権利条約を見つめ直そう
2 子どもの権利条約について
3 自己紹介
4 窓口相談から見た子ども
第二章 国連「子どもの権利委員会」に出席して
1 第一回
2 第二回
3 第三回
第Ⅱ部 子どもの権利擁護活動
第三章 いじめ
1 はじめに
2 一九九五年の文部省協力者会議「いじめ対策」報告書に関する批判的検討
3 学校におけるいじめ問題の構造とその救済
第四章 障がいのある子に対する体罰・虐待
1 続発する障がい児者への体罰・虐待
2 障がい児への体罰事件、四つの裁判例から
3 障がい児を権利の主体と見ない偏見
第五章 少年司法
1 はじめに
2 治安優先の厳罰化は少年不信が背景――総合的な子どもの権利実現運動に期待
3 今回の少年法改正案で少年事件被害者の権利を保障できるか
4 触法少年の人権
第六章 児童虐待
1 児童虐待
2 児童虐待防止法の成立
第Ⅲ部 平和と子どもの権利
第七章 教育制度
1 はじめに
2 夜間中学拡充の日弁連意見書について
3 定時制を守る会の弁護士会に対する人権救済の申立
4 憲法から見た改正教育基本法
5 平和をつくる教育
第八章 戦災孤児(東京大空襲裁判)
1 はじめに
2 東京大空襲裁判について
3 戦災孤児になった人々への権利補償も
【初出一覧】
おわりに――子どもたちの人権状況の悪化を食い止めるために
前書きなど
序文
私は三〇年間、子どもの権利についての事件の弁護活動をしてきました。さらに、二〇年間国連の子どもの権利条約の審査、カウンターレポートの提出と国連に関する活動もしてきました。昨年は、日本が国連の子どもの権利条約を批准してから二〇年目にあたり、政府を含め各子ども団体は記念行事をしました。
私は、この三〇年間の子どもの事件、裁判の活動のみならず、国連NGOの共同代表として国連のカウンターレポートを提出してきました。体罰・部活自殺などが起きた、子どもの人権元年といわれる一九八五年、弁護士会に子どもの人権一一〇番が、翌年、当番弁護士のように学校などに出かける救済センターができ、そこに関わり、少年法改悪反対活動、非行・少年事件のみならず、学校教育に関する裁判・事件、福祉機関における裁判・事件の弁護活動をしてきました。その中で児童虐待の相談が増え、東京・世田谷で児童虐待防止センターを、触法少年の冤罪が増え、触法少年研究会を、障がい児の体罰・虐待事件が増え、障害問題人権弁護団を、少年犯罪の被害者の事件が増え、全国少年犯罪被害者支援弁護士ネットワークを、いじめ自殺、いじめなどの事件が増え、全国学校事故弁護団を作ったりしてきました。地域からは世田谷でチャイルドライン支援センターを立ち上げ、二〇〇〇年以降これを全国化するなど、数々の活動をし、今回、この三〇年間に書きまとめた論文を集め、本としてまとめた次第です。