目次
日本語版への序
用語解説
凡例
事典篇(ア行~ラ行)
概説篇
韓国現代文学概観[権寧珉]
一 韓国現代文学の性格
1 現代文学の範疇
2 現代文学の成立基盤としての国語国文運動
3 新たな文章表現(クルスギ)としての文学
二 開化啓蒙期の文学
1 伝統文学における様式の変革
2 新たな文学様式の成立
3 唱劇と新派劇
三 日本植民地期の文学
1 日本による植民地支配と文学の対応
2 現代文学の様式と技法の確立
3 プロレタリア文学運動における階級言説
4 日本軍国主義と文学の転換
四 南北分断期の文学
1 解放と民族の分断
2 朝鮮戦争後の文学と民族の分断
3 産業化の過程と文学の社会的な広がり
五 北朝鮮の文学
1 北朝鮮の文学と社会主義の文化建設
2 主体思想と文学
3 開放化時代の文学
訳者あとがき
索引
前書きなど
日本語版への序
本書は、韓国近現代文学分野の創作的成果とその研究成果を体系的に調査・整理した『韓国現代文学大事典』(権寧珉編、ソウル大学校出版部、二〇〇四)の主要項目を再編集して日本語に翻訳したものである。韓国近現代文学の重要作家、重要作品、重要媒体などに関する基本的な情報を収録していると言えよう。韓国近現代文学に関する基本的な案内書が多くない日本の実状を考えると、関心のある読者には必須の参考書になるものと期待する。
一.本書は、韓国近現代文学の多くの分野にわたり重要な文学史的意味をもつ人物、作品、事項などを項目化し解説している。その範囲は十九世紀後半から二〇〇〇年までとした。
二.この事典に収録されている解説項目は、大きく分けるとおおむね以下のようになる。
①【人物】詩、小説、戯曲、随筆、児童文学などの分野で文学史的に意味の認められる作品を著した文筆家。
②【作品】詩、小説、戯曲、随筆、児童文学などの分野で文学史的な意味が認められる作品および書籍。
③【文壇事項】韓国近現代文学の重要媒体となった雑誌、新聞、及び文学芸術団体。
④【文学用語】韓国近現代文学関連の重要な文学用語。
三.各項目の解説は、次のような要領に従った。
①人物の姓名、生没年、分野、雅号、筆名などを紹介し、できるだけ家系と出生地を明らかにした。主な学歴や経歴、文学的業績などを紹介した。
②重要作品は著作年と発表紙誌を明らかにし、その内容を簡略に紹介した後に、全般的な成果を評価した。
③人物以外のすべての項目については、題、分野、内容解説の順とした。
四.本書後半部には韓国近現代文学を概観する解説を付した。