目次
おくりもの
1 おはよう
おはよう
2 またいません!!
またいません!! べんきょう中 リアクション(天才中)
深いシツモン むずかしすぎるクイズ
3 グルグル
ワタシの口ぐせ グルグル びっくりした
4 やさしさ
争奪戦 やさしさ おばけ へこんだとき
5 記 憶
車がすき 記 憶
6 みてみて攻撃
みてみて攻撃 とにかく陽気な彼 テスト
まけたくない ぽっ(すき)
7 きみと歩けば
シンちゃん 遠足の日 きみと歩けば
8 ちがうものをみている
ちがうものをみている さくら おんがく
9 ありがとう
まっとんの話 ありがとう
前書きなど
あとがき
私は、いままでたくさんの子どもたちに出会ってきました。
中学校、小学校、肢体不自由や知的障害の特別支援学校……。
いわゆる「障がい」のある子ども、ない子ども数百人になると思います。
私が特別支援教育に携わりたいと思ったのは、この作品でも描きましたが、
肢体不自由の特別支援学校で出会ったある子どもとの出会いでした。
手足の動きもままならない
意思疎通もむずかしい
それでも私たちは通じ合うことができたのです。
その子は、ひととひととの心に
へだたりはないのだということを
実感として感じさせてくれました。
また、特別支援の現場にいると、
子どもたちの視線の先に
全ての人間の心の奥深くにあるなにか美しいもの、
私たちには見えにくい
いえ、見えていたけど見るのをやめてしまったもの、
そんなものが見えているということを感じます。
知的に厳しいといわれるほどその深さは増すように思われます。
人と自分を比べず
過去を悔やまず
未来を憂えず
誠実に真摯に「今」を生きる
子どもたちから学ぶことがたくさんあります。
そしてときに、
偏見の目に気づかされることがあります。
偏見は無知や無関心から来ると思います。
子どもたちの素晴らしさ、愛らしさを知っていれば
偏見などもてなくなるでしょう。
それを信じて、心を込めてこの漫画を描きました。
この漫画に出てくる子どもたちは、
だれかをそのまま描いたものではありません。
複数の子どもたちの言動を抽出したりミックスしたりして
造形したものもあります。
ただすべて、私が体験した子どもたちの行動にもとづいています。
今回、この作品を発表するにあたり、
きっかけを与えてくださった福岡教育大学名誉教授の阿部守先生、
教育と美術的観点から助言いただいた片山博詞先生、
特別支援教育の観点から助言いただいた福岡市発達教育センター所長の野口信介様、
当事者の保護者の観点から助言いただいた西村豊美様、
当事者の立場で、自身の稀有な体験を聞かせていただいた高口和樹様、
いろんな視点からアドバイスをいただいた石風社の福元満治様、
そのほかたくさんの方々のご協力をいただきましたことに、
心から感謝いたします。
この本が、子どもたちへの偏見を少しでも減らし、
ハンディを持つ子供たちの「生きやすさ」にいくらかでも役立てたらと、
心から願っております。
ありがとうございました。
二〇一九年六月吉日