目次
刊行にあたって 米田佐代子
はじめに 皆川満寿美/赤石千衣子
序章 「渦中の人」から 上野千鶴子
1 経過──いくつものアクターが関与して日の目を見た事件
2 評価──バックラッシュがもたらした逆説的貢献
3 背景──根が深い反動派の動き
4 見通し──絶望しているひまなんかない
第1部 「ジェンダー」をめぐるポリティクス
第1章 ジェンダー概念の有効性について 江原由美子
1 問題の所在と本稿の目的
2 学問におけるジェンダー概念
3 ジェンダー研究の展開とジェンダー概念
4 ジェンダー概念の有効性
5 「ジェンダー」に対する攻撃をどう考えるか
第2章 「ジェンダー」「ジェンダーフリー」の使い方、使われ方 井上輝子
1 運動・教育・行政用語としての「ジェンダー」「ジェンダーフリー」の登場
2 「ジェンダー」「ジェンダーフリー」の用語法
3 「ジェンダー」「ジェンダーフリー」使用法についてのいくつかの考察
第3章 バックラッシュの流れ──なぜ「ジェンダー」が狙われるのか 若桑みどり
1 前提──アメリカにおけるバックラッシュ
2 ジェンダー・バックラッシュの流れ
3 バッシングの主たる対象
4 バックラッシュ・キャンペーンの「主体」は誰か
5 なぜ彼らはジェンダーを攻撃するのか
6 ジェンダー攻撃の論点批判
7 まとめ
第4章 「現場」からの声
1 「ジェンダーフリー」教育の現場から 兵頭貴子
2 性教育へのバッシング──学校の現場から 高村あい
第5章 言葉を力に──市民と行政と学界のはざまで 丹羽雅代
1 「セクシュアル・ハラスメント」概念の獲得が女性たちにもたらしたもの
2 教育現場での性差別を問題にすることの困難
3 東京女性財団発行物『ジェンダーチェック』への違和感
4 なぜ多くの女性センターや女性行政担当が『ジェンダーチェック』にとびついたのか
5 バックラッシュに抗して
第6章 ことばは生きている、あるいは、よりよき相互理解のために 加藤秀一
1 ねらい
2 「ジェンダー」概念について
3 おまけ──「ジェンダー」「ジェンダーフリー」という言葉の問題
4 最後に
第2部 「ジェンダー」の何が問題なのか──3・25シンポジウム全体討議
第3部 バックラッシュに抗うまなざし
1 フェミニストの一部がどうしてジェンダーフリー概念を避けるのか 伊田広行
2 トランスジェンダーからの攪乱的問いかけ、ジェンダー概念再考 金井淑子
3 ジェンダーフリー・バッシングと「日本の伝統」 加納実紀代
4 ジェンダーフリー教育が意図したもの 舘 かおる
5 「国家とジェンダー」を問う 鶴田敦子
6 学習・思想をめぐる市民と行政 細谷 実
おわりに 若桑みどり
資料 ジェンダー関連年表
抗議文ほか