目次
はじめに凡例・略号略号・記号一覧序論 本研究の課題と方法1.音楽史記述におけるタイポロジー2.先行研究1) 個別ジャンル史研究2) 事典記述3) 用語法研究4) ジャンル論3.対象・目的・方法4.資料1) 様式 [Stylus] 論,技法論,曲種論2) 用語解題 223) 出版作品のタイトル、前文 235.本書の構成第1章 「声楽」と「器楽」1.前史 — 17世紀前半の「器楽」の概念1) 思弁的音楽理論2) プレトーリウス2.器楽・声楽を区別する用語の交錯1) "Symphonia"2) "Concert"3) "Canzone"、"Canzonette"3.様式論における器楽1) 17世紀前半2) キルヒャー3) キルヒャー以降4.マッテゾン5.まとめ第2章 「高い」音楽と「低い」音楽1.様式論・曲種論における高きもの [hohe Res] と低きもの [niedrige Res]1) 修辞学の文体論からの概念継承 — 1650年以前の概観2) 荘重さ [Gravitat] と自由さ [Ungebundenheit]3) 器楽の諸カテゴリーと様式の高低2.音楽の価値の相対化3.器楽の意義と正当性について — 出版楽譜の前文等におけるさまざまな言説1) "Gemuths-Ergotzung"(心の楽しみ)2) 詩的標題とアレゴリー3) 器楽の諸タイプの高さ・低さ4.まとめ第3章 社会的機能1.教会と器楽1) 南部カトリック地域2) プロテスタント教会における敬虔主義と器楽3) 教会シンフォニア、教会ソナタ4) 神の恵みへの応答としての音楽2.世俗的シーンにおける器楽1) マッテゾンの様式論における世俗的器楽2) 作品タイトル,出版楽譜前文における社会的機能の記述3.教育音楽4.まとめ第4章 国民的・民族的・地域的音楽タイプ1.地域様式・国民様式・民族様式と音楽タイプ2.音楽タイプを表すさまざまな外来語3.受容と音楽タイプ,名称1) フランス音楽とドイツ人音楽家2) イタリア音楽とドイツ人音楽家4.差異化と混合,国民・民族意識1) 差異化2) 混合と国民・民族意識5.まとめ第5章 作曲技法1.作曲技法論としてのフィグール論,様式論1) ベルンハルト2) 音の原理・言葉の原理と器楽3) リツェンツィア [Licentia, Licenz]2.対位法と音楽タイプ1) "Fuga"、 "Fuge" の用語法2) 模倣技法と音楽の種類3) 厳格な技法 対 新しい趣味3.器楽の作曲技法論1) シュペーア2) 通奏低音と作曲技法3) 名技性の原理4.楽曲形式とタイプ1) 形式的音楽聴の端緒2) 形式理論の端緒5.まとめ結論史料参照文献索引Abstract(英文要旨)