目次
イントロダクション
本書にかんする用語メモ
1 取材に出かけて、恋に落ちて——出会いから結婚まで
[1] 出会い
きっかけ/中山荘/「敵意」の理由/彼らは機会がほしいんだ/シャヘドの抗議/再会/アジア人として見られるということ/軍隊が憧れの職業になる国
[2] 日本語学校への疑念
由比が浜/なぜビザの延長申請が拒否されたのか/出席率は改竄された?
[3] オーバーステイ、そして妊娠
シャヘドはついにオーバーステイになり、そして…/オーバーステイでも結婚はできる!/「そんなまっ黒い子どもが生まれてきたらどうするんだ」/中絶/家を出る
2 女(わたし)は仕事、男(シャヘド)は家庭——婚姻届提出前後
[1] 中山荘の日々
二人の生活がはじまった/アパート探し
[2] 婚姻届
婚姻に必要な書類/婚姻届の提出/「披露宴」/婚姻届が受理された
[3] 在留特別許可申請の準備
弁護士の見通し/自主出頭で用意した書類
3 長い闘いの始まり——入管への自主出頭、違反調査、仮放免
[1] 違反調査の開始
自主出頭/「収容します」/違反調査の二回目/違反調査の三回目/抜き打ち訪問/「専業主婦じゃないんだから、夫が収容されても困らないでしょう」
[2] 仮放免
とつぜんの呼びだし/仮放免に必要な書類/保管金の決定/仮放免
4 入管法は憲法の上にある?——違反審査
[1] 婚姻の効力
在留特別許可が認められる場合/G教授の「見解」/公的機関は役に立たない
[2] 違反審査
仮放免中の制約/ふたたび日本語学校へ/入国審査官による違反審査
[3] 日本人であることの嫌悪
眠れない/あるフリーライターの発言/市民団体/週刊『X』の記者/在日外国人のコメント/国際結婚を考える会/Dさんのアドバイス/退去強制後一年経っても再入国は難しい/在留特別許可のポイント
5 口頭審理、そして在留特別許可へ
[1] 口頭審理
口頭審理の日が十月十三日に決まる/特別審理官による口頭審理
[2] 在留特別許可が出た日
記念日ラッシュの十二月/ホセリトとの会話/在留特別許可が出た!
6 I AM NOT WHAT I WAS.
[1] もう、かつての自分はいない
その後を予感させたはじまり/もうバングラデシュには戻れない
[2] 家族と生い立ち
インドから移住した母の家族/父母の結婚/父の「再婚」/空軍・進学・就職、そして日本へ
[3] 同国人たちの支え
日本語学校/ウッジョルの誘い/入管の摘発と“ジャーナリスト”/在留資格が更新できない/アシフのジョーク
[4] 在留特別許可は最低限の権利
在留特別許可をとるまで/性差別発言にあきれる/法律に違反したものには人権など認めない、という発想/在留特別許可は出ても/日本と日本人のイメージ
資料
参考文献
在留特別許可、その後——あとがきにかえて
[補遺1]一九九九年成立、二〇〇〇年に施行された改定入管法・外登法が意味するもの
[補遺2]東京都知事の「三国人」発言——日本には無数の「石原慎太郎」がいる
「分断統治」とバックラッシュのなかで——新版のためのあとがき