目次
はしがき
第1部 人間の尊厳と個人の尊厳
一 人間の尊厳の権利化——子どもの意見表明権を手がかりに、二一世紀のあたらしい人権を展望する
二 個人の尊厳とパターナリズム——ミルの「自由原理」に内在するパターナリズム
第2部 被拘禁者
三 受刑者処遇に対する裁判所の関与——アメリカにおけるハンズ・オッフ・ドクトリン(不干渉主義)の崩壊
四 受刑者の法的地位と「監獄法改正要綱案」
五 「受刑者処遇」の高貴な偽り
六 国際人権基準からみた受刑者の権利
七 国際人権法における被疑者取調べ
第3部 安楽死
八 安楽死をめぐる検察官・弁護人・裁判所の論理——大阪地裁安楽死事件を手がかりに
九 安楽死をめぐる二つの論点——安楽死はタブーか
一〇 権利としての安楽死論
一一 「東海大学安楽死事件」の判決を批判する
第4部 死刑
一二 死刑を廃止できない日本社会の論理——死刑制度廃止にむけて
一三 日本はなぜ死刑を手ばなせないか——戦争裁判と戦後社会文化構造から考える
一四 法務大臣に死刑執行の義務はあるか——死刑執行の停止に関する予備調査を踏まえて
第5部 少年法
一五 少年法の功利的な利用と少年の人権
一六 女子高校生コンクリート詰め殺人事件——少年凶悪犯罪はなぜ起こったか
一七 「子どもの権利条約」の基本原則と少年司法
一八 子どもの人権と少年法改正
一九 少年法改悪を憤る!
第6部 治安権力の肥大化
二〇 「暴力団対策法」の問題点と危険性
二一 「居場所」を奪う破防法の適用を許すな!
二二 いわれのないオウム信徒の「非国民化」——その裏に隠された翼賛体制の政治目的
二三 「団体規制法」の違憲性
第7部 戦後日本の社会文化構造と刑事政策
二四 公害を生みだした日本社会の論理
二五 政治腐敗と国政調査権の活性化
二六 わが国の社会文化構造と犯罪対応策
二七 厳罰化の時代へどう踏み込んできたか——1999年を考える