目次
I 台湾史における『決戦台湾小説集』——外来政権日本の国語体制(藤井省三)
海外進出と文学表現の謎(池田浩士)
戦時期台湾における動員と宣伝——『決戦台湾小説集』をめぐって(黄英哲)
II 中島利郎論文へのプレリュード 「書痴」の観点(黒川創)/『決戦台湾小説集』の刊行と西川満(中島利郎)
野間信幸論文へのプレリュード 派遣作家としての張文環——「雪の中」に語られたもの(張文薫)/張文環の戦争協力と文学活動(野間信幸)
張季琳論文へのプレリュード 楊逵——植民地の眼差し(山口守)/戦時下の楊逵——「増産の蔭に」をめぐって(張季琳)
石婉舜論文へのプレリュード 視聴覚メディアとしての演劇における植民地的近代(三澤真美恵)/「台湾新演劇運動の黎明」の到来——1943年,厚生演劇研究会の設立と公演(石婉舜,北川修一訳)
下村作次郎論文へのプレリュード サヨン神話とその映画化(四方田犬彦)/日本から逆輸入された『サヨンの鐘』の物語——中央舞台の台湾上演と呉漫沙の『サヨンの鐘』(下村作次郎)
垂水千恵論文へのプレリュード 呂赫若の養子的戦略(西成彦)/文学と音楽の狭間で——呂赫若の軌跡を示すもの(垂水千恵)
III 『民俗台湾』発刊の時代背景とその性質(呉密察、倉野充宏訳)/植民地の「混血児」——「内台結婚」の政治学(星名宏修)
戦時下台湾の文学と文化状況(河原功)